SAINTのRDを普通のハブに取り付けてみる


ここ1年くらいずっと、SAINTのRD(RD-M800)がJensonUSAで$24で叩き売られている。一時期は$12だったことすらあった。
http://www.jensonusa.com/store/product/RD703A04-Shimano+Saint+Rd-M800+Rear+Drlr+135Mm.aspx

このRD、ハブ軸に直接取り付けで高強度!とかなんとか謳われて華々しく登場したものの、専用ハブは高いわ組み替えるのも面倒だわ等々で思ったほどにはユーザは踊ってくれず、結局現行のRD-M810ではあっさり通常の固定方式に戻ってしまったという、シマノがよく咲かせる時代のアダ花の1つである。モノとしてはそれなりに魅力的なので、ついつい上記Jensonで衝動買いしてしまった。さてどうするか。

理屈で言えば、ハブ軸のフリー側が通常より長く伸びていればそこにネジ止めできるはずなので、適当なM10のボルトをハブ軸としてDeoreあたりのハブに突っ込んでしまえばいいはず。ただ美しく仕上げるならなるべくシマノのリペアパーツの流用で済ませたい。というわけでシマノのカタログをつぶさに検討してみた。

結論から言えば

を用意することで、RD-M800を取り付けることができるようになる。

カギは右ブラケットロックナット。HONEとSAINTは展開図では区別が付かないが、
http://techdocs.shimano.com/media/techdocs/content/cycle/EV/bikecomponents/RD/EV-RD-M800-2278_v1_m56577569830609155.pdf
実はSAINTのロックナットには周り止めの突起が付いている。これは、SAINTのハブ軸が左ロックナット一体型のスルーアクスルで左側からのみ閉めこんで固定する構造になっているためで、右側が回っては困るためにこうなっている。
対してHONEの方は一般的な左右両側からの締め合わせなので、径などはまったく同じだがHONEのロックナットには周り止めは付いていない。これを用いることで任意のM10のハブ軸にRD-M800を固定することが可能となる。ハブ軸もHONEの物を用いれば長さの調整等が不要でよい。


実際にRDとハブ軸とロックナットを組んでみた様子。この通りまったく違和感ない。同様の理屈で、HONEハブに取り付けるのも右ブラケットロックナットの交換だけで済むわけで、最も手間がかからないのはもちろんそれだけど、手持ちのホイールをハブ交換しなくても良いというのはやはりメリットが大きい。あとは実際にハブ軸を交換して取り付けるだけ。


ここでは普通にMTBだけど、いっそロードハブとかトラックエンドのピストとかに組み込んだりしても楽しいかもしれない。
その他大きい写真はこちらなど。
http://www.flickr.com/photos/inuro/2482777326/in/set-72157611215098391/